他人を攻撃せずにはいられないタイプについて


他人を攻撃せずにはいられないタイプ みなさんの周りに思い当たる方はいらっしゃいますか? ただ、ここで私がお伝えしたいのは決して「その人」を責めるのではなく、攻撃する側も、される側も、どうしたら予防できるか?なのです。それを踏まえてご覧くださいね!

 

ここでは明らかな暴力ではなく、攻撃性が見えにくい陰湿な言葉による攻撃を取り上げてみましょう。「マウントをとる」なんていうのもその一つですね。

たとえば、職場で先輩ががんばる後輩に言ったひと言! 『いくら成果を出しても経費と時間をかけ過ぎていたら会社のためにはならないわね。あなたのために言っているのよ。』という。 これも攻撃です。

たとえば、家庭内では、不倫した夫の会社へ行き不倫相手を人前で名指しで罵倒する。なんていうのもあります。これも攻撃です。これは一見そうされても仕方ないように見えますが、不倫したことは双方に原因があることですし、それと不倫相手の人権を社会的な場面で罵倒することは、分けて考えましょう。

また、社会的に認められている妻に、夫が嫉妬し『そんなことして何になるんだ。どうせ自己満足だろう。』などというのもあります。これも攻撃です。

嫉妬の中には、「相手への純粋な愛」よりも「自己愛」のほうが勝ってしまう場合がありますね。

精神科医の片田珠美さんの「他人を攻撃せずにはいられない人」によると、
「攻撃欲の強い人」とはどういう人なのか、「どんな人」が影響を受けやすいのか、どんなふうに壊していくのか、受けた人はなぜ抵抗できなくなるのか、などが書かれてあります。

これらをよく理解しながら、私の考え方は、何度も言いますが、決してその「人」が悪いのではなく、人と事を分けて考えること、攻撃する行為についてどのように対応するか? たとえば、される側は、堂々として「その言い方は私は傷つくからやめてほしい」と、しっかり気持ちを伝えるなどしましょう。

する側もされる側も、今からの人生を生きやすい良いものにしていただけたらいいな~と思っています。

 

無意識であることも

では、攻撃せずにいられない「傲慢さ」とは、いったいどこから来るのでしょう。本人もわかっていない(無自覚 無意識)ことが多いです。

それは「強い自己愛」からのようです。自己中心的であり、自分以外の人の気持ちが想像できない。共感力の欠如がみられます。自分には何の問題もないと思い込んでいることに起因します。そして、それプラス「万能感」だそうです。

万能感(自分は特別だ、何でもできる、何でも知っている、何でも許される)とは、赤ちゃんから幼児期には誰でも持っているもので、発達過程で必要なものですが、やがて成長とともに困難なことに遭うたびに徐々に薄れ、自信と自制のバランスがとれていくものなのです。

2~3歳児は自分の思い通りにならなくて、よく癇癪を起すことがありますね。まわりのおとな(ママ、パパ、先生)になだめられながら4~5歳くらいには、徐々に思うようにならないことも受け入れて自分のコントロールする力(自律性)が発達していきます。

ところが、大人になっても幼児期の万能感を抱いたままのケースがあります。すると、大人になっても自分は万能で自分は正しい、自分の考えや価値観で相手を支配しようとします。すべてを支配したいという欲望に突き動かされてしまうのです。

そればかりか、相手(ターゲット)に罪悪感を抱かせてしまうのです。

 

どんなタイプがターゲットにされやすいのか?

もし、あなたがターゲットにされたとして、考えてみましょう。

1.急に気力がなくなることがある
2.しばしば、罪悪感にさいなまれたり、不信感が募ったりする
3.突然、もうダメだと自信をなくすことがある
4.ときどき、エネルギーがなくなったように感じる
5.反論や攻撃しても、ムダだと思う
6.あの人は、なにかにつけて私をけなすので落ち込む
7.あの人の感情を動かしたり、考えを変えさせたりすることはできないと思う
8.あの人のやっていることは、言っていることと随分ちがうように感じる
9.あの人の言うことには、あいまいさがあり、どう受け止めていいのか困惑する
10.あの人がいると、心身の不調を感じることが多い
                 片田珠美さんの著書より

 

以上の中で、3つ以上当てはまるようなら「もしかしたら?」と疑ってみてほしいです。5つ以上だと、ターゲットにされていること確定かもしれません!

いかがですか?

思い当たる人は、すぐに専門家に相談してくださいね。当相談室でも他でもいいので早く相談することです。

イヤだと思いながらも一緒にいるとどんどん疲弊してストレスから病気になってしまうこともあります。自分の人生を大切にしてください。

体裁や世間体よりも自分をだいじに労わって愛してあげてくださいね。ターゲットにされやすいタイプの人は、人にやさしい気持ちの強い人で、自分より相手を中心に考えてしまう傾向があります。

こころの中では「本当はちがう」と思っていても、勇気を出して伝えないと伝わりません。攻撃欲の強い人は、あなたが言わないことをいいことに勝手に解釈して「おまえが悪い!」と言い切って罪悪感を抱かせようとしますから注意してくださいね。

本来、人間はお互い人として対等です。お互い人権があります。どちらかに支配されることはありません。忘れないように覚えておいてくださいね。

 

何が?人間社会生活(集団生活)にもっとも必要なのでしょうか?

それは「共感力」と「想像力」です。

どんな小さな集団・組織でも、人と人が継続して共に何かを築きあげる(仕事・活動)には、助け合い、支え合いが必要で、そのために最低限必要なものは「共感力」なのですね。

子どもの頃に大人たちからよく言われた言葉に「自分がされてイヤなことは人にもやってはいけないのよ。なぜなら、相手もイヤな気持ちになるでしょ。」言われながら育ってきましたね。それで、「そうか~ 相手の気持ちはそうなんだ~」と、自分の共感力を高めていきました。

生まれ持つ気質で「相手の気持ちを想像するのが苦手」なタイプもいます。子どもの頃にそれに気づいてあげられれば、気づいた時から「もしこうだったら相手はどんな気持ちかな?」と「気持ち」の話をたくさんしてあげて、小さいころから共感性を伸ばしてあげましょう。

大人になって、生きやすく、良い人間関係を築ける人になるように・・・願います。