投資と回収


投資とは辞書でひくと利益を得る目的で事業・不動産・証券などに資金を投下すること。
転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこととあります。

1.これが親子の場合

親が子に投資する・・・とは
『大きくなったらイチローみたいにプロ野球選手になってたくさん稼いでくれ!』だから小さいときからリトルリーグに入れる。
お金をかける。

『おとなになったら石川遼君みたいにプロゴルファーにしてガンガン賞金稼いでくれ!』だから、よちよち歩きのうちからゴルフのレッスンをはじめる。

いろいろな英才教育がありますが、本当にその子が興味・関心を持って、自分からやりたいと思って始めさせたことはいいでしょう。
(環境でそうさせることはできます)

しかし、親がはじめから将来の利益をもくろんで子どもに投資した場合、そして、その通りにいかなかった場合、親はなんて言うでしょう。
『こんなにお金かけたのに~、なんでダメなの、なんでできないの!』と怒り心頭でしょう。

これでは親子関係は崩れてしまいます。

だから親が子に投資する(お金をかける)ときは無償の愛でかけましょう。
それはすでに投資とは呼ばないものですね。

親が自分自身に投資することはいいことです。
自分の老後を考えて手に職をつけるなど大いに賛成です。

2.これが恋人や夫婦の場合

恋愛がはじまって最初のころはお互い純粋に『そばにいてくれるだけでいい~』なんて言っているけど、人間はだんだん欲が出てきます。

すると、自分の欲求を通すようになり、 相手を支配したくなります。
自分の思うようにしたい、言うことをきかせたい、そうなると手段を考えます。

金・銀・パール・プラチナ・ダイヤ、ドレス、靴、バッグ、ディナー、お小遣い、お金や品物で相手を支配しようとする人がいます。

そして、思うようにならなかったとき、支配できなかったとき、逆上するのです!

『こんなに買ってあげたのに!』『こんなに金使ったのに』と怒りがこみ上げ、愛情が憎悪に変わるのです。 怖いですね。

夫婦の場合は妻が夫の出世を願って献身的に尽くしたとします。
それが純粋に愛情からの献身であったら、たとえ出世しなくても給料が安くても充実した気持ちになるでしょう。

ところが出世、名誉、昇給目的の献身であったら、それは献身ではなく投資です! その投資が報われなかったらどうなるでしょうか!(怖)
ケチョンケチョンに夫をくさすのでしょう。恐ろしいですね。

だから妻も自分自身に投資しましょう! 自分で投資した分、回収できなかったとしてもそれは自分の責任です。腹も立たないでしょう。
夫に投資するなら無償の愛で献身的に尽くしてください。

3.これが経営者の場合

会社の経営者が社員、従業員にお金をかけることがあります。

給与は労働に対する対価ですが、たとえば、それが研修費用、勉強会費用、資格取得など、やがては会社の利益につながる目的でかかる費用を会社負担した場合、投資したことになります。

その人材を見込んでかけているわけですね。
まあ企業なので当然ですが、これもやはり期待に添えな かった場合、会社側は裏切られたと思うでしょうし、損失を出したというでしょう。

社員を教育したり育てることは人材と環境の適応の問題もあるので結構難しいものです。
辞めたいと言っているのに『回収するまで辞めさせないぞ』という考えは早く捨てましょう。
お互いのためになりません。

4.これがビジネスパートナーの場合

経営者と従業員の関係ではないけれど、このビジネスパートナーという関係が案外問題になっています。
独立した企業と企業だったり、あるいは個人事業主同士、友人同士で組んでビジネスを始めたとします。

対等な関係であってもどちらかがリーダーシップをとります。
資金を多く出したほうとか、アイデアを出したほうとか、先に始めていたとかいろいろですが、どちらかがどちらかを見込んで相手に投資したとします。

はじめは蜜月といって夢と希望を共有し、語り合い、情熱でちぎりを交わし、順風満帆に船出します。
しかし、ビジネスを展開させていくうちに意見のくいちがい、価値観や観念の相違が徐々に現れます。

そして、見込まれたほうがコンビを解消したいと言い出すと、投資したほうはもうたいへんな騒ぎです。
『ここまで時間もお金もこんなに掛けたのに』と怒りがこみ上げてくるのです。

しかしそれは自己責任です。
投資したほうは大きな見返りを求めて掛けたわけですから、自業自得です。 そして失敗するときには必ず落とし穴があります。

それは相手の意見を無視したときです。
あるいは相手が言葉にいい表せない心の深い部分の想いを読み取れなかったとき、あるいは読み取っていても見ないふり、聞こえないふりをしたときが落とし穴にはまるときです。
大切なパートナーを投資の対象にしたことが暴露されます。

そういう人は反省しましょう。
ビジネスパートナーなのに主従関係で使おうとしていな かったか?
給与という形でなく、プレゼントのような品物や飲食で相手のこころを動かそうとしても裏があってやっている場合は、やがて相手も気づきます。

そんな関係は続くわけがないのです。人を対等に尊重していないからです。
いつもパートナーが離れてしまう人は、自分に原因があることを認識してください。

5.総じて言えることは・・・

人に投資する場合ははじめに相手をよく知ってください。

性格、気質、能力、適性、分析してください。
相手が本当は何を望んでいるかよく理解してあげてください。確認してください。
人に投資するときははじめは回収目的でも、達成できなかったときは自己責任だと観念してください。

掛けるときはそう思えたのですから仕方ないとあきらめてください。
決して恨まないように!
ですから、人に掛けずに自分自身にかけるのです!

自分に投資した分は自分次第でどうにでもなります。
いつか必ず自分に返ってきます。何も無駄ではありません!

投資されてる人、回収目当てにされている人、ご相談はこちらまで