さいたま小4児童殺害事件 予防するには?


また悲惨な事件が起こりました。さいたま市見沼区で起こった小4児童殺害事件。
私にも小学生の孫がいるので、小学生が殺されるなんて、とても悲しく、つらくなりました。

決してあってはならない事件。なんとか未然に防ぎたいです。予防のためにはどんなことを意識すればいいでしょう?

加害者は義理の父親(母親の再婚相手)でした。この義父による犯行というケースは「結愛ちゃん虐待死事件」もそうですが、子ども殺害のケースでは事実として多く見られます。

実の父親でさえも、男性脳というのはなかなか「父親」になりにくいこともよく見受けられます(一概には言えませんが)ので、乳幼児の時期から一緒にいない男性にとって子どもをどのように受け止めていいかわからないケースが多いですね。(※ここでいう「父親」とは自分を客観的にみることができ、感情のコントロールがしっかりできて、共感能力もあり、許容量も大きく、分別があり、子育ての意味を理解して実行していることを言います。)

決して再婚がよくないわけではありません。義父になって「良い父親」として素晴らしい育児をしている人もたくさんいらっしゃいます。良いお手本はなかなかニュースで取り上げてもらえないので目立たないだけです。

ではなぜ、このような事件が起きてしまうのでしょう?

今回の事件でみると、同居して1年も経たないうちの犯行でしたが、数か月のあいだに加害者は不満をつのらせていたと思われます。小さな「不満」、小さな「わだかまり」、小さな「疑問」などを解決せずにそのまま(抱えたまま)にしておくと、人間はそれがストレスとなり、なにかのキッカケで爆発することがあります。

あくまで推測ですが、加害者は日ごろから自分自身のこと、仕事のこと、生活のこと、子どものこと、妻のこと、いろいろなことに小さな不満や疑問を抱えたまま過ごしていたのではないかと思います。

これは他の人でも誰にでも言えることですが、小さな不満は小さいからと言って抱えたままにしておくことは危険なのです。不満やわだかまりは小さくても一回一回しっかり向き合って解決しておくことが重要です。

簡単なたとえで言えば、「行きたくないところへ行かなければならない」や「やりたくないことをやらなければならない」、あるいは「こうだったらいいのにこうならない・・・」など、本当はイヤなんだけどという気持ちを抑圧して我慢している状態にあるとき、それを続けていると不満が蓄積されて、ガスが充満していくように膨らんで、なにかのキッカケで爆発してしまう、ということなのです。

なぜ、不満やわだかまりを小さいうちに解決できないか?それは勇気です。解決する勇気。ものごとを解決するには逃げずに、あるいは目をそらさずに、あるいは自分をごまかさずに、きちんと向き合う「こころの勇気」が必要だからです。

恥ずかしい、みっともない、人にどう思われるか、を取り払う勇気です。

勇気の出せない人はいます。勇気とは怖さに鈍感でないとなかなか出せないものです。怖さに鈍感、敏感は生まれ持つものです。怖さに敏感なものを気質として生まれ持っているケースでは「勇気を出せ」と言われても出せないのです。そういうケースでは勇気の出し方は子どもの頃からサポートしながらトレーニングするといいですね。

今回のケースでは、日常で虐待はなかったそうなので、もしかしたら良い父親になろうと努力していたかもしれません。しかし、本当の父親でないことを加害者自身がふだんから「引け目」と捉えていたのではないでしょうか。ほかのことでも引け目を感じていると引け目が増幅し、そこを言われたことで爆発したと思われます。

仮に、引け目を感じていなければ、言われてもなにも怒ることではないし、本当の親でないことは事実ですから、きちんとその言葉を受け止めて「そうだよね、そういう思いはあるよね」「ぼくは本当の親ではないけれど、それでも愛情を示し続けていこう」と思えばいいわけです。

引け目」・・・それは自分自身を認めていない、自己否定している、にもつながります。ここが注意する点です。

誰でも人生の中で引け目を感じることはあると思います。まして、他者と比較をさせる学校教育の中では、感じたくなくても引け目を感じてしまうでしょう。

本当は学校教育が変わればいいのですが、少しずつ教育改革も進んでいるとは思いますが、まだまだ経済も競争原理を使って発展させている社会では改革が難しいようです。

そんな中で、こころに引け目を抱えて生きていると、まれに今回の事件のような惨劇が起こり得るわけなのです。

なので、私が社会に伝えたいことは、どんな環境にあろうとも、どんな状況にあろうとも、堂々と生きることです。いまの自分を認めること。自分をダメなやつだと思わない。自己否定や自己肯定感の低さから不具合が起こることは既にわかっています。

その上で、きちんと自分と向き合い、自分の方向性を決めていきます。サポートは必要です。

人には人のサポートがあっていいんです。自分だけで抱え込まずに専門家に相談しましょう。

男性は人に相談することが苦手な人多く見られます。ひとりで抱え込まずに理解してくれそうな専門家に相談しましょう。